石井宏子

石井宏子

緊急事態宣言にともない、旅取材も地方での仕事も全て休止し、家で過ごしています。年200日、国内外を旅して取材執筆を15年以上続けてきました。そのわたしのスケジュール帳が、真っ白になったのです。

日本各地の温泉地、宿や施設も、臨時休業を決断したところが増えています。海外の温泉地も完全休業状態になっていて、世界中が同様の状況下にあることに心が痛みます。

タビエルの丹羽さんから、「種プロジェクト」を立ち上げたと連絡をいただきました。「種プロジェクト」は東日本大震災の時に生まれました。完全ボランティアで丹羽さんが運営し、登録する宿側も、応援する方にも費用がかかりません。「宿泊の約束を届ける」ことで好きな宿と繋がりを持ち、全額を応援できる仕組みを作っていただきありがとうございます。

外へ出られない、旅に行けない、人と会えない。このような日々の中で、あらためて気づかされたことがあります。「かならず泊まりに行きますよ」という宿との約束が、自分の未来の希望になるということです。心が折れそうになった時、「そうだ。この温泉にわたしは行くのだ」と思いを馳せることで、幸せな気持ちになり、心が温かくなります。旅館サポーター制度ではありますが、実は、わたしたち自身も、大好きな旅館に行ける、ということに支えられているのですね。

 

石井宏子

温泉ビューティ研究家・旅行作家

(事務局補足)

温泉をビューティーツールとして位置づけ、豪華さではなく体と心のための養生食の宿に光をあて、最近では「じぶんも一人旅していいんだ。」と多くの女性の女性の意識を変えつつある、温泉の新たな面を切り開いたパイオニアです。